最近、『低用量ピル』を使用している女性たちが増えているのを皆さんご存知でしょうか。
女性誌や女性向けキュレーションサイトでも『低用量ピル』の特集が取り上げられているのを目にするようになりました。

これまでのピルといえば、女性ができる避妊の手段。
でも、身体への負担が大きいというイメージが強かったと思いますが『低用量ピル』はこれまでのピルのイメージとはちょっと違います!
なんと!使用することで、女性の身体に良い事があるそうなんです!
今回は、巷で密かに注目を集めている『低用量ピル』について調べてみました!

低用量ピルって、何が低用量なの?
これまでのピルとの違い

ピルとは、女性ホルモンを安定させて、コントロールするお薬です。
実は、そもそもピルは避妊薬として開発されたわけではなく、生理不順や無排卵などを緩和させる目的で開発、使用されてきました。

その治療薬として、『中用量ピル』、『高用量ピル』が使用されていました。
しかし、強い薬の為、副作用がおこりやすく、服用をためらう人も多かったようです。

婦人科系の治療や避妊に使用するには、リスクが高かったので、最低限の効能が発揮できるレベルにまでホルモンの量を下げたのが『低用量ピル』なんです!

低用量ピルの女性ホルモン含有量は?

『高用量ピル』、『中用量ピル』、『低用量ピル』の違いは、女性ホルモンの含有量により呼び名が異なります。

『高用量ピル』は、卵胞ホルモンの含有量が50マイクログラム以上のもの。
『中用量ピル』は、ちょうど50マイクログラムのもの。
『低用量ピル』は、50マイクログラム未満のものと、区分けされています。

女性ホルモン含有量にかかわらず、どのピルにも避妊効果や女性ホルモンをコントロールする効果はあるので、副作用による身体の負担が少ない『低用量ピル』が産婦人科で使用されるようになったそうです。

『低用量ピル』で、ほぼ100%の避妊が可能

『低用量ピル』は、正しく服用した場合の妊娠率はわずかに0.3%。
ほぼ100%に近い確率で避妊が可能です。
時々飲み忘れがあった場合でも8%。
コンドームによる避妊法での失敗率は2~15%、排卵日を避けて性交渉を行う方法では9~25%が失敗してしまうという研究結果があるので、『低用量ピル』は、かなり高確率で望まない妊娠を防ぐことが出来ます。
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低用量ピルの避妊の仕組み

  1. ゴナドトロピン分泌を低下させ、排卵を抑制
    『低用量ピル』には「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンに似た成分が配合されています。
    『低用量ピル』を服用することで、「女性ホルモンが充分分泌されている」というサインが脳に送られます。
    すると、脳は「妊娠した」と勘違いします。
    妊娠したと脳が認識すると、脳下垂体から分泌される「ゴナドトロピン」が低下し、卵胞の発育と排卵が抑制されます。
  2. 子宮内膜の増殖を抑える
    『低用量ピル』の服用により、血液中に多くのプロゲステロンが補われます。
    そのため、エストロゲンの作用がうまく働かず、子宮内膜の増殖が抑えられます。
    子宮内膜は本来、エストロゲンの作用により厚くなり、受精卵の着床を助けますが、増殖が抑えられることで着床しにくい状態、つまり、妊娠しにくい状態になります。
  3. 子宮頸管粘液を変化させる
    プロゲステロンの作用により子宮頸管粘液の粘り気が増し、精子が通過しにくい状態になるので、更に避妊効果が高まります。

『低用量ピル』で生理痛が軽減!

生理痛の症状が、日常生活に差し支えるほどひどい場合を「月経困難症」といいます。
10代では子宮が未成熟な為、ひどい生理痛になりやすいのですが、20代を超えても生理痛がひどい場合は、子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンが原因と考えられます。

プロスタグランジンは本来、出産時に陣痛を引き起こす物質で、臓器を収縮させます。
この時に起こる、痙攣性の腹痛を、『低用量ピル』で軽くすることが可能です。

また、出血量についても、2周期以上『低用量ピル』を飲み続けると、出血量が43%減少したという結果があります。

月経周期がコントロールでき、予定が立てやすい

『低用量ピル』のを飲んでいる間は、月経がきちんと28日周期で訪れるようになります。
1ヶ月の予定がぐっと立てやすくなりますね!

婦人科病率軽減

  • 子宮内膜症の治療
    現代の20~40代の女性に多く見られ、不妊症の原因にもなる、子宮内膜症。

    子宮内膜症とは、子宮内でしか作られな子宮内膜が、子宮以外の場所で作られて増殖してしまいう病気です。
    『低用量ピル』は、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンに似た成分を合成して作られたホルモン剤です。
    ピルを服用することで、女性ホルモンを司る脳に働きかけ、「妊娠状態」や「閉経状態」と錯覚させることで排卵自体が止まります。
    子宮内膜症はエストロゲンの影響を受けて増殖すると言われているので、エストロゲンの分泌量を減少させることで症状の進行を抑えます。

  • 排卵をお休みさせることで「卵巣がん」の予防に!
    多くのピルは「21日間の服薬+7日間の休薬」というスケジュールで使用します。
    服薬している間は排卵が起こりません。

    排卵の抑制は「卵巣がん」の予防にもつながると言われています。
    近年、卵巣がんの発生率が増えているのは、日本女性の出産回数が少なくなったことに関係していると考えられています。
    卵子は毎月、卵巣の壁を突き破って排卵されるので、卵巣にはダメージが大きいのです。

    出産回数が少ないという事は、それだけ生理が休みなく訪れるという事であり、つまりそれだけ排卵回数も多くなり、卵巣にかかる負担が大きいと言えます。

    卵巣ガンは、生理の度にできた傷を修復しようとする過程で、がんが発生するのではないかと考えられています。

    そこで、低用量ピルで排卵を抑制することで出産の予定がない時は、卵巣をお休みさせてあげられる事が出来るという仕組みです。

    実際ピルが普及している欧米では、卵巣がん患者が減少していて、普及が遅れている日本は逆に増加傾向にあるという結果が出ています。

  • 生理不順改善、子宮体がんのリスクをも軽減
    『低用量ピル』には、子宮体がんの予防効果も認められています。

    そもそも子宮体がんというものは、閉経後の女性や、「生理不順」の女性に多く見られるがんです。
    子宮内膜に発生するがんなので、毎月、規則正しく生理が来ていれば、血液とともに体外に排出されるものが、生理不順や閉経後の女性の場合、それが難しい為がん細胞が増殖してしまいます。
    『低用量ピル』は、がんが発生する子宮内膜を薄く保つ働きがあります。
    細胞の異常が発生しにくくなるのです。

    また、生理不順改善も見込めるので、子宮体がんの予防に効果的と考えられています。

  • 不妊治療にも効果的

    排卵を抑制させると、その間、卵巣はお休みさせることが出来ます。
    ピルの服用を続けて、お休みさせている期間に、卵巣や子宮は回復できると考えらます。
    子宮や卵巣の働き過ぎが、妊娠しにくい原因の場合、不妊治療の一環として『低用量ピル』が使用される場合があります。

    副作用

    副作用の症状や、程度は、もちろん個人差があります。
    特に使用開始から1~2週間くらいまでは、吐き気や、不正出血が起こる人もいます。
    また、下痢、腹痛、便秘など、消化器系に副作用が見られる場合もあります。

    多くの場合、『低用量ピル』を適切に飲み続けていくと、次第に治まります。
    症状がツライときは担当医に相談するのが良いでしょう。

    まとめ

    如何でしたでしょうか。これまで、女性が出来る避妊手段として知られてきたピル。
    どうしても、身体の負担が大きく、決められた服用が手間に感じられていましたが、
    近年処方されるようになった『低用量ピル』は、これまでのピルのイメージを一新させるものでした。

    • 女性ホルモンの含有量が少なく、負担が少ない
    • ほぼ100%の避妊が可能
    • 服用で生理痛が軽減
    • 月経周期がコントロールできる
    • 婦人病の治療にも効果的
    • 不妊治療にも使用される
    • 使用から1~2週間は、個人差で副作用が現れる事がある

    女性ホルモンの含有量を少なくすることで、身体への負担も少なく、避妊以外に婦人病の予防にもなり、女性の健康をサポートする薬になっていたんですね。
    月経困難症と診断がつけば、保険適用も可能なそうなので、まずは、婦人科で相談してみてください。

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